本文へスキップ

The Japan Acupuncture & Moxibustion Association

研修会 報告report

第37期 鍼灸臨床研修会 開催

 平成29年9月16日()・17日(日)・18日(月・祝)の3日間、さいたま市大宮の呉竹医療専門学校において、第37期鍼灸臨床研修会を開催いたしました。今回の臨床研では、カリキュラムに医療面接と臨床心理学を取り入れました。奥田弘美精神科医の「メディカル・サポート・コーチング」の入門として30分の解説、臨床心理学では、臨床に役立つように交流分析の解説を行いました。これは心療内科ではよく知られていて、患者さんの心の構造を知るには分かりやすいものです。今回はごく初歩の理解として、桂戴作心療内科医版エゴグラムを参加者に記入してもらい、鍼灸師自身の成長のために役立てる説明を行いました。今回の話は医療の中では、かなり広まっていて、それぞれ基礎的研修には相当数の時間が必要なものです。興味を持ち、理解を深めれば、きっと臨床に役立つものと考えております。今後、臨床研のカリキュラムにおいても、客観的な臨床の評価を取り入れたいと考えています。講師陣は皆開業鍼灸師であり、自身も研鑽を積み指導しており、医療連携に結びつく共通言語および日常臨床に繋がる講義に、手ごたえを感じてもらえています。書家の相田みつを氏は、作品の中で「なやみながらもひとつこと」と唱えていますが、我々も、あれこれやっているようでも、患者のために「ひとつこと」をやっているのです。臨床研を修了された会員は、症例報告のレポート提出が履修基準となっており、会員外の受講者にも努力目標としてレポート提出を促しています。ぜひ、これを機会に、「なやみながらもひとつこと」として挑戦して頂きたいと思います。臨床研の指導員・講師は最大限のサポートを行い、参加者全員の合格を願っています。
(臨床研総合指導員サブ・リーダー 元吉正幸)

 ~受講者の声から考察~

例年、受講者からのご意見とご要望を求めたアンケートを実施してきました。回答の例として、3日間の日程は?「ちょうどよい」、講義内容の理解度や満足度は?「忘れていたことの再確認ができた」「臨床研を受けて良かった」「衝撃的な講義だった」「刺鍼を丁寧に教えてくださった」「とても濃厚な時間だった」など、高い評価を得ました。けれども、要望の記述を読むと、「もっと参考資料が欲しい」「もっと刺鍼実技の時間を長くして欲しい」「質問の時間が欲しい」「お灸治療の効果も聞きたい」「お誘いがあるまで本研修会を知らなかった」、その他、学んだことのリフレイン、受講後のサポートとフィードバックを望む声もありました。今後、講師陣によるレポート作成のサポート体制を強化、さらに研修内容をフィードバックする機会を得られるような場を設けることも考えております。次は、全国大会大阪大会における一般口演、第4回卒後フォローアップ・セミナー、37期臨床研受講修了者のレポート合格へ繋いでまいります。最後に、鍼灸師における素養の共通化と卒後の臨床研鑽の場として、鍼灸臨床研修会へ積極的なご参加とご支援の程、よろしくお願い致します。(臨床研講師一同)


第36期 鍼灸臨床研修会 大阪 開催

9月17日(土)から19日(月・祝)

明日の臨床に結びつく問診と診察

昨年は大阪での臨床研は開催されませんでしたが、関西を中心に西日本地区からの開催要望が根強く、2年ぶりに今回の開催となりました。
9月17日(土)から19日(月・祝)までの3日間、大阪の森ノ宮医療学園専門学校に於いて、第36期鍼灸臨床研修会(臨床研)が開催されました。
要望が根強い理由の一つに、各疾患別の病態に結びつく解剖、病態の種類と鑑別診断、問診の進め方、診察法の意義と実技指導を行い、それぞれが基本に忠実であり、実際の臨床に則したもので、明日からの臨床にも応用できるところにあります。実際に受講された方は学生も含まれ、免許取得から間もない方から臨床経験10年以上の方、再び勉強したいと2回目の受講の方、いろいろな立場や経験年数でも納得いただけるよう、内容が充実した研修会で、さらに今年から刺鍼実技指導が導入、一層充実したものとなりました。

開始直後は3日間というのは長いような気がしますが、終わってみるとあっという間で、いかに充実していたかは、受講者アンケートに反映されています。
台風の影響も懸念されましたが、無事に3日間のカリキュラムは終了いたしました。(報告:講師指導員 柿内孝弘)

~受講者の声~ アンケートより
 臨床とは何か、臨床に必要な不適応疾患を鑑別する能力を養うことを根幹として講義されました。3日間連続のスケジュールで受講者からは、
「素晴らしい!凄まじい研修でした」
「学生ですが、各疾患の臨床症状と不適応となる際の臨床経験からの実例を挙げて鑑別の最重要ポイントを講義いただき、それと治療との関係が良く理解できました。臨床に直結する事なので、確実に使える知識としていくことの重要性が良く分かり、今後に繋げて行きたいと思いました」
「PTRなど腱反射が消失しているとき、増強法を行っての叩打するタイミングを教えていただき、反射が良く出るようになりました」
「実際の患者さんとの遣り取りが聞けてとても参考になりました」
「刺鍼実技では、良好な刺入方向や危険な刺入方向、刺入深度まで教えていただき、とても勉強になりました」など好評価をいただきました。まさに臨床研修会の意義や目的を会得していただけた研修会だったと感じました。
今後もアンケート結果を参考にして、地方やブロック単位、あるいは都道府県単位での要請に対応してまいります。また、5疾患を年4~5回に分散しての開催計画や、Webを利用した双方向性の講習会を企画するなど、より受講しやすく参加しやすい形での方向性を企画展開してまいります。

(総合指導員 紺野康代)






第3回 卒後フォローアップ・セミナー 
7月3日
花田学園 渋谷インフォㇲタワー

「わかりやすい病態説明」と
「刺鍼実技指導」


 このセミナーは、卒後の開業間もない先生方を対象にした内容で、今回で3回目の開催である。受講者37名は熱気に溢れていて参加者の学習意欲を感じた。講義は、臨床研・浦山総合指導員と臨床研講師陣により、「肩関節痛」の問診・解剖・病態の説明、診察法のデモと実技、治療穴と刺鍼の実技指導を行った。診察法と取穴・刺鍼の実技指導では、ベッド・サイドに講師が寄り添った少人数単位のマンツーマン指導方式を取り、これがたいへん好評であった。受講者アンケートの回答によると、「講義がとても解りやすい」等の講師への感謝とセミナーの継続を希望する声を多くいただき、修了証を渡す際には3回連続参加された方へ敬意を表した。

  


第36期 鍼灸臨床研修会 
東京開催

 7月16日~18日
 
呉竹医療専門学校 大宮


「各疾患別徒手検査」の再考と
「刺鍼実技」を取り入れた新たな試み

 鍼灸臨床研修会(以下、「臨床研」)では、今年度より各疾患全ての講義内容に「臨床のコツ」として治療穴と刺鍼実技指導を加えた。東京会場では参加者16名の少人数であったこともあり、一人ずつ丁寧に実技指導を行うことができた。 3日間という限られた時間内で刺鍼実技を行うために、担当講師はその準備に相当な時間を要した。
 指導にあたっては、取穴から刺鍼部位さらに刺入方向に至るまで、自らの臨床経験を細部まで十分に伝えられるよう指導を努めてきた。

 臨床研では、数年前から1疾患の「臨床デモ」を行っており、今回から初めて刺鍼実技の指導を各疾患別に取り入れた。
 臨床家の皆さんは、初学者・熟練者を問わず「他の先生方の治療を観たい」「講師独自の刺鍼方法を教わりたい」との希望が多いようだ。

 受講者アンケート回答には、「解りやすい」「刺鍼実技をもっと教えてほしい」「何回も繰り返し講義を受けたい」等、とても好評であった。

   

  


鍼灸臨床研修会
レポート合格

 合格された皆さんには、これからも自己の更なる学術研鑽と、都道府県師会ならびに日本鍼灸師会の学術および研修事業にご協力ください。

第35期 レポート合格者

1 北海道        齊藤 正樹

2 宮城県        三浦 秀隆

3 福島県        太田 友理香

4 埼玉県        今井 幸司

5 千葉県        永見 幸智江

6 東京都        秋元 良公

7 東京都        矢谷 和雄

8 神奈川        清水 克紀

9 神奈川        林  邦昭

10福井県        中村  寛

11長野県        西尾 稔樹

12長野県        日置 善雄

13長野県        松本 祐子

14岐阜県        石田 悦代

15愛知県        中田 美千夫

16京都府        平田 朝子

17大阪府        岩  英進

18兵庫県        新名 美恵

19鳥取県        竹安 江里子

20香川県        安原 和人

21愛媛県        入山 元彦

22
福岡県   蘇 秀華

第36期 レポート合格者

レポート合格者 14名

 髙橋 はるか

 小代 進

 池田 旭

 遠山 茂

 間壁 愛音

 有賀 大祐

 原  正二

 鶴田 真一

 森田 輔

 松山 明美

 廣橋 久美子

 平松  学

 松田 利博

 寺川 華奈

公益社団法人日本鍼灸師会 研修委員会

〒170-0005
東京都豊島区南大塚 3-44-14

TEL 03-3985-6771