鍼灸臨床研修指導者講習会
◇社団法人日本鍼灸師会
第1回鍼灸臨床研修指導者講習会を開催
昭和56年3月14日・15日の両日、日本鍼灸会館にて第1回鍼灸臨床研修指導者講習会が開催され、各都道府県師会から推薦された臨床経験10年以上の44名が受講した。
(以下、「臨床研」という。)
◇全国各ブロックで鍼灸臨床研の伝達講習会を開催
日鍼会では、鍼灸の安全性と不適応疾患の除外、あるいは鍼灸院での取扱いが多い疾患についての病態把握や鑑別診断等、鍼灸師の資質を高めるために鍼灸臨床研修指導者講習会を開催して、全国的な資質向上に努力してきた。昭和60年に至り、この事業を全国的に一層推進するため、各県師会を指導する鍼灸臨床指導者を育成するため各ブロック伝達講習会を一斉に開催し、各県師会の指導者の育成を強力に進めるとともに地方師会会員の資質の向上に務めた。
◇各都道府県師会宛
AIDSの予防対策の周知と消毒の徹底指導
日鍼会ではかねてからオートクレーブ、使い捨て鍼等の使用について共済部及び学術部が中心となって会員の指導を精力的に努めてきた。昭和61年にはAIDS(エイズ)が連日のようにTV、ラジオ、新聞、雑誌等で報道され、一部マスコミから鍼治療による感染の可能性が過大に取り上げられ患者に不安を与えかねない状況にあった。このような状況から昭和61年2月7日付、日鍼発第33号により、各都道府県師会長宛に小川会長と加藤学術部長の連名で「エイズ(後天性免疫不全症候群)と消毒について」の文書によってエイズ対策の強力な指導を行った。また、日本鍼灸新報61年4月号では、エイズについての詳しい情報を掲載すると共にB型肝炎と同じ方法で処置すれば安全との情報とその対処の方法を具体的に掲載し指導した。同年10月号の鍼灸新報にも、各ブロックが行う鍼灸伝達講習会の指導書として「消毒、滅菌、殺菌」に関する資料を学術部がまとめたものを鍼灸新報に掲載して全会員に感染防止に関する啓蒙をした。
◇NHKニュース7で本会の臨床研を取材
平成6年9月17日、本会の鍼灸臨床研修指導者講習会にNHK7時のニュース「特集レベルアップする“はり治療"」の取材があった。取材目的は、鍼灸師全体のレベルアップのために日本鍼灸師会が現在どのようなことを行っているのか、というものであった。取材は治療技術の共有化、各種の徒手検査法を導入して再現性を高めることなど、臨床研の「症例検討会」を中心に行われ、9月21日の午後時から《NHKニュース7》の中で、開業鍼灸師の資質向上の講習会として放映された。
◇臨床研修了者の「症例報告」発表の場として、第1回日本鍼灸師会臨床学術大会が開催
平成8年10月26日・27日の両日、東京の中央区立中央会館にて第1回日本鍼灸師会臨床学術大会が盛大に開催された。大会テーマは「鍼灸発展の道をさぐる」、シンポジュウムのテーマは「豊かな鍼灸院の経営をめざして」を掲げ、特別報告「全国高校総体における(社)山梨県鍼灸師会のスポーツケアサービス活動について」1題、シンポジュウム「豊かな鍼灸院の経営をめざして」1題、一般演題26題、参加者711名であった。その後、第4回まで開催、第5回は、臨床学術大会と日青全国集会を統合、第1回全国大会と事業名称を変えて実施、現在に至る。
『日本鍼灸師会 創立50周年記念誌』引用